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非破壊検査の従事者数の推移|売上と人員の変化をどう読むか

依
依田尚人

著者・監修 ・ YDAIコンサルティング株式会社 代表

10分
目次

非破壊検査業を主とする工業会会員160社の従業員数は、2019年の10,552人から2025年には9,384人となりましたが、途中の推移は一様ではありません。

従業員数、会員数、売上高は、それぞれ対象と調査時点が異なる数値です。日本非破壊検査工業会「非破壊検査業の現状」統計資料を基に、推移そのものと、統計だけでは断定できないことを分けて整理します。

数字の早見表

非破壊検査業の会員数と従業員数と売上高を分けて示す図
非破壊検査業の会員数と従業員数と売上高を分けて示す図

数字の早見表では、何の数値か、どの年度か、どの調査かを一緒に確認します。従業員数と会員数は2025年7月登録票、売上高は2024年10月経営実態調査による値で、同じ表の数値でも時点を混同しないことが必要です。

指標直近の確認できる値対象・時点
非破壊検査業を主とする正会員160社2025年7月登録票
非破壊検査業に従事する従業員9,384人非破壊検査業を主とする160社、2025年7月登録票
売上高1,452億円非破壊検査業を主とする正会員、2024年度・2024年10月経営実態調査

上表の出典は日本非破壊検査工業会「非破壊検査業の現状」統計資料で、確認日は2026-09-06です。売上高の1,452億円は2023年度と2024年度が同値であり、どちらの年度を指すかを省かずに扱います。

売上高、会員数、従業員数の対象と時点

会員数は正会員の構成を、従業員数は非破壊検査業を主とする会員企業で非破壊検査業に従事する人の数を示します。売上高は非破壊検査業を主とする正会員を対象にした経営実態調査の数値で、これらを全国のすべての事業者・従事者の数と置き換えることはできません。

年度、登録票、経営実態調査という区別は、数字の比較条件です。出典名、年度・調査時点、確認日2026-09-06を近くに置くことで、何を比べているかを確かめられます。

売上高を検査種目ごとに読む場合は、非破壊検査の検査種目別の売上構成で、2023年度の全11区分と統計の対象を確認できます。

2019年から2025年までの従業員数の推移

従業員数は2019年度の10,552人から、2020年度9,586人、2021年度9,669人、2022年度9,602人、2023年度9,317人、2024年度9,422人、2025年度9,384人と推移しています。日本非破壊検査工業会「非破壊検査業の現状」統計資料の2025年7月登録票を基にした値で、確認日は2026-09-06です。

始点と終点だけを見ると減少していますが、各年度の値は一直線には動いていません。推移を読むときは、単年の増減と、複数年にわたる範囲を分けて見る必要があります。

従業員数の推移を正しく読む

二〇二〇年の変化とその後の従業員数の範囲を示す図
二〇二〇年の変化とその後の従業員数の範囲を示す図

従業員数の推移を正しく読むとは、特定の年の値だけから原因や将来を決めないことです。統計には人員数の変化は記録されていますが、その変化の理由、個社の負荷、将来の採用状況までは記録されていません。

見る観点統計から確認できること統計だけでは確認できないこと
人員年度別の従業員数変化の原因
売上年度別の売上高個社や個人の収入
会員正会員数の推移個別企業の経営状況

2020年の減少とその後の9,300〜9,700人台

2019年度の10,552人から2020年度は9,586人へ減少しました。その後は2021年度9,669人、2022年度9,602人、2023年度9,317人、2024年度9,422人、2025年度9,384人であり、9,300〜9,700人台の範囲で推移しています(2025年7月登録票/確認日 2026-09-06)。

したがって、従業員数が毎年同じ方向に減り続けているとは表現できません。統計から確認できる推移と、その背景に関する仮説を区別することが必要です。

売上高が概ね1,400億円規模で推移する意味

売上高は、2020年度の1,318億円を除き、概ね1,400億円規模で推移しています。2023年度と2024年度はいずれも1,452億円であり、日本非破壊検査工業会「非破壊検査業の現状」統計資料の2024年10月経営実態調査に基づく値です(確認日 2026-09-06)。

この数値から、従業員一人当たりの生産性、人手不足、単価の変化を断定することはできません。売上と人員は異なる調査項目であり、関連の原因や将来を示す追加データはこの統計には含まれていません。

会員社数と1社あたり人数

会員社数と従業員数から一社あたり人数を計算する図
会員社数と従業員数から一社あたり人数を計算する図

会員社数と従業員数を併せると、対象企業1社あたりの人数を計算できます。これは工業会統計に掲載された二つの数値を用いる当社算出であり、統計が直接公表した平均値ではありません。

年度会員社数従業員数当社算出の1社あたり人数
2017年度154社10,355人約67.2人
2025年度160社9,384人約58.7人

表の元数値は、日本非破壊検査工業会「非破壊検査業の現状」統計資料の2025年7月登録票で確認した値です(確認日 2026-09-06)。計算式は10,355人÷154社、9,384人÷160社であり、四捨五入の扱いによって表示桁が変わります。

1社あたりの従業員数は何人か

当社算出では、154社・10,355人(2017年度)から160社・9,384人(2025年度)へ、1社あたりの従業員数は約67.2人から約58.7人へ変化しています。ここでいう当社算出は、工業会統計の会員社数と従業員数を割った値であり、統計が直接公表した平均値ではありません。

会員社数は154社から160社へ変化する一方、従業員数は10,355人から9,384人へ変化しています。元数値の対象と年度を外すと意味が変わるため、当社算出の値だけを独立させず、計算の根拠と一緒に示します。

データから言えることと言えないこと

統計から確認できることと断定できないことを分ける図
統計から確認できることと断定できないことを分ける図

この統計からは、対象会員企業の人員、会員数、売上高の年度別の数値を確認できます。一方で、人手不足、作業負荷、単価、将来性を直接示す調査ではないため、これらを結論として付け加えることはできません。

統計を使って確認すること別の根拠が必要なこと
人数・会員数・売上高の推移人手不足の程度
当社算出の1社あたり人数個人の負荷や待遇
統計の年度・母集団将来の需要や採用数

人手不足、負荷、単価、将来を断定しない理由

人員数の変化は、業界全体の人手不足の有無や程度を直接証明するものではありません。同じように、売上高と従業員数が並んでいても、個別企業の単価、作業負荷、給与、将来の求人を導くための項目は確認できません。

データの読み方を深めたい場合は、データカテゴリで対象・時点の異なる統計を分けて確認できます。数値の訂正や引用に関する連絡先は、次の窓口をご利用ください。

別母集団のインフラ調査士

会員ベースの資格数とインフラ調査士の人数を分けて示す図
会員ベースの資格数とインフラ調査士の人数を分けて示す図

インフラ調査士の人数は、工業会会員の従業員数とは別の母集団です。日本非破壊検査工業会の統計図8では、資格試験センターによる各年度10月1日基準の有資格者数として示されているため、会員企業の従業員数と同じ表で平均や割合を計算しません。

数値人数母集団・基準
インフラ調査士(2017年度)1,462人資格試験センター、各年度10月1日基準
インフラ調査士(2025年度)3,034人資格試験センター、各年度10月1日基準

数値の出典は日本非破壊検査工業会「非破壊検査業の現状」統計資料で、確認日は2026-09-06です。会員ベースの資格保有者数とは集計の範囲が異なることを、表の前後で明示します。

2017年度1,462人から2025年度3,034人の統計を分ける

インフラ調査士は2017年度1,462人、2025年度3,034人です。各年度10月1日基準の資格試験センターの有資格者数であり、非破壊検査業を主とする160社の従業員9,384人とは対象も調査方法も同じではありません(確認日 2026-09-06)。

二つの数値を一つの表に置くと、同じ人を数えた統計のように見えるおそれがあります。増減の比較や割り算をする前に、母集団と基準日を確認します。

資格制度別に人数の母集団を確認する

資格制度には、JIS Z 2305に基づく民間の個人認証、法定免許、事業者を対象とするCIW認定、国土交通省の登録資格であるインフラ調査士があります。制度の対象者・対象法人・集計範囲が異なるため、人数だけで横並びの比較をしません。

JIS Z 2305の方法とレベルの整理は、JIS Z 2305とはで確認できます。認証対象の方法は、非破壊検査の資格の種類で確認してください。

まとめ

従業員数は2019年度10,552人から2025年度9,384人へ変化していますが、中間年には増減があります。売上高、会員数、従業員数は対象と調査時点を分け、統計にない原因や将来まで断定しないことが大切です。

1社あたり人数は、会員社数と従業員数を基にした当社算出として根拠とともに示せます。別母集団のインフラ調査士や資格保有者数は、同じ表に混ぜず、それぞれの基準日と対象を確認してください。

よくある質問

Q. 従事者数は毎年減り続けていますか
減り続けているとはいえません。2019年度10,552人、2020年度9,586人の後、2021年度9,669人、2022年度9,602人、2023年度9,317人、2024年度9,422人、2025年度9,384人と推移しています(日本非破壊検査工業会「非破壊検査業の現状」統計資料、2025年7月登録票/確認日 2026-09-06)。 始点と終点の比較だけでなく、中間年の増減も確認する必要があります。統計だけから、その変化の原因や次の年の数値を断定することはできません。
Q. 業界規模はどの程度ですか
非破壊検査業を主とする工業会正会員の売上高は、2023年度と2024年度のいずれも1,452億円です。日本非破壊検査工業会「非破壊検査業の現状」統計資料の2024年10月経営実態調査に基づく値で、確認日は2026-09-06です。 この数値は対象会員企業の売上高であり、全国の関連市場すべてを表すものではありません。調査対象と年度を付けて、範囲を限定して読みます。
Q. 資格保有者数を従業員数で割れますか
単純な平均として断定することはできません。JIS Z 2305の資格保有者数22,224人は、日本非破壊検査工業会の会員に所属する技術者の延べ数で、1人が複数方法を保有すると重複計上されます(2025年7月登録票/確認日 2026-09-06)。 従業員9,384人は非破壊検査業を主とする160社の従業員数であり、資格保有者数と厳密に同じ母集団とは限りません。割り算で一人あたりの平均保有数を示すことは避け、各数値の集計範囲を確認してください。

出典

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