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非破壊検査の資格の種類|NDT方法8種と限定NDT方法6種の全体像

著者・監修: 依田尚人YDAIコンサルティング株式会社 代表

非破壊検査の資格の種類|NDT方法8種と限定NDT方法6種の全体像

JIS Z 2305の認証制度では、レベル1〜3を持つNDT方法が8種、対象を限定したNDT方法が6種あります。検査の種類と資格の種類は重なりますが、同じ分類ではありません。まず、通常のNDT方法、限定NDT方法、検査種目の三つを分けて捉えることが大切です。

この記事では、各方法の正式名称、レベル構成、限定方法の扱い、VTとの違いを整理します。制度上の一覧と実施状況は、一般社団法人 日本非破壊検査協会「JIS Z 2305:2013 非破壊試験技術者の認証制度のご案内」Rev.20260701(確認日2026-09-06)を根拠にしています。

レベル1〜3がある8つのNDT方法

JIS Z 2305の認証対象となる通常のNDT方法は8種です。いずれもレベル1・2・3があり、対象方法を指定して認証を受ける仕組みです。

レベル1から3がある8つのNDT方法
レベル1から3がある8つのNDT方法
区分方法コードと正式名称
前半4種RT 放射線透過試験、UT 超音波探傷試験、MT 磁気探傷試験、PT 浸透探傷試験
後半4種ET 渦電流探傷試験、ST ひずみゲージ試験、TT 赤外線サーモグラフィ試験、LT 漏れ試験

この8方法の列挙とレベル構成は、一般社団法人 日本非破壊検査協会「JIS Z 2305:2013 非破壊試験技術者の認証制度のご案内」Rev.20260701(確認日2026-09-06)によります。制度全体は、JIS Z 2305の制度全体で確認できます。

RT・UT・MT・PTの正式名称とレベル構成

RTは放射線透過試験、UTは超音波探傷試験、MTは磁気探傷試験、PTは浸透探傷試験です。これら4方法はすべて、レベル1・2・3の認証対象として制度案内の第4.1項に列挙されています。

略号は検査の種類を示しますが、認証の力量はレベルによって変わります。例えばレベル1は監督の下で実施する力量、レベル2は技法の選択や結果の解釈・評価、レベル3は規格・手順書等に関する責任を担う位置づけです。根拠は同制度案内Rev.20260701(確認日2026-09-06)です。

ET・ST・TT・LTの正式名称とレベル構成

ETは渦電流探傷試験、STはひずみゲージ試験、TTは赤外線サーモグラフィ試験、LTは漏れ試験です。この4方法もレベル1・2・3が認証対象で、TTのレベル3は2025年秋期試験より実施されています。

LTは技法ごとに訓練時間を満たす必要があるなど、方法に固有の条件があります。TTを含めた実施状況は、一般社団法人 日本非破壊検査協会「JIS Z 2305:2013 非破壊試験技術者の認証制度のご案内」Rev.20260701(確認日2026-09-06)の方法一覧と注記で確認できます。

限定NDT方法6種の範囲

限定NDT方法は、対象や技法を絞った別体系の認証区分です。通常の8方法のレベル1〜3と同じ段階表記に見えても、方法ごとに存在する限定レベルが異なります。

限定NDT方法6種の範囲
限定NDT方法6種の範囲
方法コード正式名称実在レベル
UM超音波厚さ測定限定レベル1
MY極間法磁気探傷検査限定レベル1・2
ME通電法磁気探傷検査限定レベル1
MCコイル法磁気探傷検査限定レベル1
PD溶剤除去性浸透探傷検査限定レベル1・2
PW水洗性浸透探傷検査限定レベル1

表は、一般社団法人 日本非破壊検査協会「JIS Z 2305:2013 非破壊試験技術者の認証制度のご案内」Rev.20260701(確認日2026-09-06)の第4.2項に基づきます。

UM・MY・ME・PDの認証区分

UMは限定レベル1のみ、MYは限定レベル1・2、MEは限定レベル1のみ、PDは限定レベル1・2です。限定方法を検討するときは、名称が似た通常方法と結び付ける前に、その限定方法自体にどのレベルがあるかを確認します。

MYとPDの限定レベル2では、限定レベル1資格の保持・非保持によって必要な訓練時間が分かれます。認証区分と訓練要件は別の表で定められているため、一般社団法人 日本非破壊検査協会の制度案内Rev.20260701(確認日2026-09-06)を前提条件とともに確認してください。

MC・PWの新規試験と維持の扱い

MCとPWは、限定NDT方法として制度上の名称と限定レベル1の区分が残っています。一方で新規試験は2015年春期をもって終了しており、更新と再認証は継続しています。

そのため、MC・PWを他の限定方法と同じように新規認証の対象として扱うことはできません。新規試験の終了と維持手続の継続は、一般社団法人 日本非破壊検査協会「JIS Z 2305:2013 非破壊試験技術者の認証制度のご案内」Rev.20260701(確認日2026-09-06)で区別されています。

通常のレベル1と限定レベル1の関係

通常の8方法におけるレベル1と、限定NDT方法における限定レベル1は、名称が近くても別の認証です。関係を二段に分けて読むと、資格そのものと訓練時間の扱いを取り違えずに済みます。

通常レベル1と限定レベル1の関係
通常レベル1と限定レベル1の関係
観点関係
認証としての資格相互に代替しない
訓練時間の取扱いレベル1資格保持者は限定レベル1の訓練時間を満たしたものとして扱う

表の扱いは、一般社団法人 日本非破壊検査協会「JIS Z 2305:2013 非破壊試験技術者の認証制度のご案内」Rev.20260701の表9.1.1-2注記(確認日2026-09-06)によります。

認証として非代替で、訓練時間だけ例外がある理由

認証としては、通常のレベル1資格と限定レベル1資格は相互に代替しません。限定レベル1資格の保持者を通常のレベル1資格保持者として扱うことも、その逆に扱うこともできないため、資格名の似通いだけで同じ認証と判断しないことが必要です。

ただし訓練時間の取扱いに限り、レベル1資格保持者は限定レベル1の訓練時間を満たしたものとして扱われます。これは資格の置き換えではなく、限定レベル2へ進む際の訓練時間に関する例外です。根拠は同制度案内Rev.20260701(確認日2026-09-06)です。

VTが認証対象に含まれない意味

VTは検査種目として用いられる語ですが、JIS Z 2305に基づく日本非破壊検査協会の8方法には含まれません。検査種目の有無と、そのまま認証対象であるかどうかは別の確認事項です。

検査種目とJIS Z 2305認証対象の違い
検査種目とJIS Z 2305認証対象の違い
観点VTの位置づけ
JIS Z 2305の認証対象8方法には含まれない
検査種目別統計目視VTとして区分がある

認証対象は一般社団法人 日本非破壊検査協会の制度案内Rev.20260701、検査種目の統計は日本非破壊検査工業会「非破壊検査業の現状」統計資料(2023年度・2024年10月経営実態調査/確認日2026-09-06)によります。VTに関する情報も、認証制度と検査種目別統計の範囲を分けて確認します。

検査種目とJIS Z 2305の認証対象を分ける

JIS Z 2305の8方法は、制度が認証対象として列挙する方法です。これに対し、業界統計の検査種目は売上高を分類するための区分であり、認証制度の一覧と一致することを前提にしていません。

VTを認証対象の9番目として数えると、制度の対象範囲が変わってしまいます。制度上の8方法と検査種目としてのVTを分けることが、非破壊検査の種類と資格の種類を正確に理解する出発点です。

取得する方法を考えるときの確認軸

方法を検討するときは、認証の対象、限定方法かどうか、制度上のレベル構成、業務上求められる条件を順に確認します。売上構成比は検査種目の比重を示す資料ですが、個人の仕事量、求人量、収入を保証する数値ではありません。

検査方法を確認するための4つの軸
検査方法を確認するための4つの軸
確認軸見る内容
認証対象8方法か限定方法か
レベル構成実在するレベルと新規試験の状況
要件訓練、経験、視力・色覚の前提
業界統計検査種目別の売上構成

出典の確認方法は情報の収録基準と運営方針で、資格に関する他の記事は資格カテゴリで確認できます。

売上構成比を資格取得の検討材料として読む

日本非破壊検査工業会の2023年度の検査種目別売上構成では、超音波UTが27.7%、浸透PTが15.0%、放射線RTが14.2%、磁気MTが12.6%です。これは同工業会「非破壊検査業の現状」統計資料の2024年10月経営実態調査に基づく数値で、確認日は2026-09-06です。

比率は検査種目別の売上高を表すため、資格取得後の個人の作業量や待遇を示すものではありません。制度上の方法と統計上の種目を対応づける際も、年度・調査時点・母集団を添えて、判断材料の一つとして読みます。

表記や引用に関する情報を補足したい場合は、次の窓口を利用できます。

よくある質問

方法名、限定方法、VTの位置づけについて、制度の範囲を確認する質問に答えます。

JIS Z 2305の8方法にVTは含まれますか

含まれません。一般社団法人 日本非破壊検査協会「JIS Z 2305:2013 非破壊試験技術者の認証制度のご案内」Rev.20260701の第4.1項(確認日2026-09-06)では、RT、UT、MT、PT、ET、ST、TT、LTの8方法が列挙されています。

VTが検査種目として扱われることと、JIS Z 2305の認証対象であることは別です。8方法の一覧にVTを加えて数えないことが、制度の範囲を保つポイントになります。

限定レベル1は通常のレベル1の代わりになりますか

認証としては代わりになりません。一般社団法人 日本非破壊検査協会「JIS Z 2305:2013 非破壊試験技術者の認証制度のご案内」Rev.20260701の表9.1.1-1と表9.1.1-2の注記(確認日2026-09-06)は、通常のレベル1と限定レベル1を相互に代替しないものとして扱います。

ただし、訓練時間の取扱いに限り、レベル1資格保持者は限定レベル1の訓練時間を満たしたものとして扱われます。資格そのものの代替と、限定レベル2へ向けた訓練時間の例外を分けて理解してください。

TTのレベル3は受けられますか

TTのレベル3は、2025年秋期試験より実施されています。一般社団法人 日本非破壊検査協会「JIS Z 2305:2013 非破壊試験技術者の認証制度のご案内」Rev.20260701の第4.1項の注記(確認日2026-09-06)で、実施開始が示されています。

レベル3の受験申請では、申請するNDT方法のレベル2資格の保持が前提です。TTを含め、方法別の受験要件は制度案内の最新版で確認します。

まとめ

非破壊検査の資格に関わるJIS Z 2305の制度は、レベル1〜3がある8つのNDT方法と、別体系の限定NDT方法6種で構成されます。MC・PWは新規試験終了後も更新・再認証が続き、通常のレベル1と限定レベル1は認証として代替しません。

方法名、資格区分、検査種目別統計は、それぞれ異なる目的の情報です。認証対象とレベル構成を先に確認し、統計は年度・調査時点付きの補助資料として読むことで、制度の範囲を取り違えずに整理できます。

出典

著者・監修

依田尚人YDAIコンサルティング株式会社 代表

依田尚人は YDAIコンサルティング株式会社 代表。非破壊検査の資格制度・法定資格・業界統計について、認証機関・業界団体・所管省庁等の公開情報を一次ソースまで確認する工程を標準として、本サイトの記事を設計・監修しています。

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