hihakai-career.com
法定資格・法令約11分で読めます

エックス線作業主任者とは|非破壊検査でいつ必要か・免許の取り方2ルート

著者・監修: 依田尚人(YDAIコンサルティング株式会社 代表)

エックス線作業主任者とは|非破壊検査でいつ必要か・免許の取り方2ルート

エックス線装置を使用する一定の作業では、事業者は管理区域ごとに、エックス線作業主任者免許を受けた者から作業主任者を選任しなければなりません。この制度は、個人に非破壊検査を独占的に行わせるための資格ではなく、対象となる作業について事業者が選任する仕組みです。業許可、線源の使用、設備の計画届との関係は、非破壊検査をめぐる規制の3層で整理しています。

ここでは、非破壊検査での対象作業、作業主任者の職務、免許を受ける2つのルート、試験実務を分けて説明します。民間認証との違いを先に確認したい場合は、資格証明書と免許の違いを参照してください。

エックス線作業主任者とは

管理区域ごとのエックス線作業主任者選任を示す図
管理区域ごとのエックス線作業主任者選任を示す図

エックス線作業主任者は、法令で定める対象作業について事業者が選任する作業主任者です。根拠は労働安全衛生法第14条、労働安全衛生法施行令第6条第5号、電離放射線障害防止規則第46条・第47条です。労働安全衛生法は2025-05-14公布・2026-04-01施行、施行令は2025-10-31公布・2026-04-01施行、電離放射線障害防止規則は2026-01-20公布・2026-04-01施行で、確認日はいずれも 2026-09-05です。

確認項目制度上の内容
選任する主体事業者
選任する単位管理区域ごと
選任される者エックス線作業主任者免許を受けた者
根拠労働安全衛生法第14条、施行令第6条第5号、電離則第46条

選任義務の主体と管理区域ごとの考え方

エックス線作業主任者を選任する義務の主体は事業者です。電離放射線障害防止規則第46条は、エックス線作業主任者免許を受けた者のうちから、管理区域ごとに選任することを定めています。免許を持つ個人がいることだけではなく、対象作業と管理区域に対応して事業者が選任する構造を確認します。

対象作業と制度の範囲

対象は、労働安全衛生法施行令別表第二第1号又は第3号に係る作業です。第1号はエックス線装置の使用又はエックス線の発生を伴う当該装置の検査の業務、第3号はエックス線管若しくはケノトロンのガス抜き又はエックス線の発生を伴うこれらの検査の業務を指します。選任制度の対象と、非破壊試験技術者の民間認証を同じ制度として扱わないことが必要です。

選任が必要になる場面

エックス線装置を使う対象作業と除外の範囲を示す図
エックス線装置を使う対象作業と除外の範囲を示す図

選任が必要となる場面は、エックス線を扱うあらゆる場面を一律に指すものではなく、施行令が指定する作業で判断します。別表第二の対象作業と、第6条第5号の括弧書きによる除外を対にして確認します。根拠は労働安全衛生法施行令第6条第5号・別表第二、確認日 2026-09-05です。

区分内容
対象別表第二第1号又は第3号に係る作業
除外医療用のもの
除外定格管電圧が1,000キロボルト以上のエックス線を発生させる装置を使用するもの

施行令別表第二の第1号・第3号に関わる作業

別表第二第1号には、エックス線装置の使用又はエックス線の発生を伴う当該装置の検査の業務が掲げられています。第3号には、エックス線管又はケノトロンのガス抜き、又はエックス線の発生を伴うこれらの検査の業務が掲げられています。非破壊検査の文脈では、実際の作業がこの条文上の対象に当たるかを、業務内容と法令の文言で確認します。

医療用と定格管電圧1,000キロボルト以上の除外

施行令第6条第5号の括弧書きでは、医療用のものと、波高値による定格管電圧が1,000キロボルト以上のエックス線を発生させる装置を使用するものを除外しています。対象作業の説明では、この除外を落として一律の選任義務として書かないことが必要です。根拠は労働安全衛生法施行令第6条第5号、2026-04-01施行、確認日 2026-09-05です。

作業主任者に行わせる9項目の職務

エックス線作業主任者の9項目の職務を示す図
エックス線作業主任者の9項目の職務を示す図

事業者は、選任したエックス線作業主任者に電離放射線障害防止規則第47条の9項目の職務を行わせます。職務は、照射前後の確認、遮蔽や標識、測定器、作業方法と指揮を含む一連の管理事項です。電離放射線障害防止規則第47条は2026-04-01施行、確認日 2026-09-05です。

職務の区分主な確認事項
現場の措置標識、照射筒・しぼり・ろ過板、遮蔽、照射条件
立入りの確認立入禁止措置、照射開始前・照射中の立入者不在
作業の管理放射線測定器、作業方法、放射線業務従事者の指揮

標識、遮蔽、照射条件、立入禁止の確認

第47条の職務には、標識の措置、照射筒・しぼり・ろ過板の適切な使用、遮蔽等の措置、照射条件の調整が含まれます。また、立入禁止の措置を点検し、異常があれば必要な措置を講じること、照射開始前及び照射中に立入者がいないことを確認することも含まれます。これらは9項目の職務の一部であり、現場の状況に応じた個別の安全指示を本記事で示すものではありません。

測定器、作業方法、放射線業務従事者の指揮

残る職務には、放射線測定器を装着して点検すること、作業方法を決定すること、放射線業務従事者を指揮することが含まれます。職務の全体は、標識や遮蔽だけで終わらず、作業の開始前から作業方法の決定までを含む構造です。9項目の根拠は電離放射線障害防止規則第47条、2026-04-01施行、確認日 2026-09-05です。

免許を取得する2つのルート

エックス線作業主任者免許の試験合格と法令上の交付ルートを示す図
エックス線作業主任者免許の試験合格と法令上の交付ルートを示す図

エックス線作業主任者免許を受けるルートは、免許試験に合格する方法と、電離放射線障害防止規則第48条各号に掲げる者として免許の交付を受ける方法です。労働安全衛生規則第62条・別表第四が、免許を受けることができる者としてこの2つを定めています。労働安全衛生規則は2026-04-28公布・2026-08-01施行、確認日 2026-09-06です。

ルート内容
免許試験エックス線作業主任者免許試験に合格して免許を受ける
法令上の交付電離放射線障害防止規則第48条各号に掲げる者が免許を受ける

免許試験に合格して免許を受けるルート

労働安全衛生規則第62条・別表第四では、エックス線作業主任者免許試験に合格した者を、免許を受けることができる者として掲げています。このルートでは、免許試験の合格と免許の交付を一続きの手続として確認します。試験の受験資格や試験科目は法令本文ではなく、後述する試験実施機関の公表事項として区別します。

電離則第48条に基づく免許交付のルート

電離放射線障害防止規則第48条は、試験合格者のほか、診療放射線技師、原子炉主任技術者免状の交付を受けた者、第1種放射線取扱主任者免状の交付を受けた者に、都道府県労働局長が免許を与えると定めています。エックス線作業主任者免許のこのルートでは、第1種放射線取扱主任者免状が対象です。第48条は2026-04-01施行、確認日 2026-09-05です。

技能講習と試験実務を混同しない

技能講習とエックス線作業主任者免許試験の違いを示す図
技能講習とエックス線作業主任者免許試験の違いを示す図

労働安全衛生法第14条には免許又は技能講習修了者という一般的な定めがありますが、エックス線作業主任者については電離放射線障害防止規則第46条が免許を受けた者のうちから選任すると定めています。そのため、技能講習だけを受けてエックス線作業主任者として選任されるルートはありません。根拠は労働安全衛生法第14条、電離放射線障害防止規則第46条、確認日 2026-09-05です。

区分確認する内容
選任の要件エックス線作業主任者免許を受けた者
試験実務安全衛生技術試験協会が公表する受験資格・試験科目・科目免除
科目免除試験実施機関の公表事項であり、免許交付の要件とは別

技能講習だけでは選任できないことと試験実施機関の公表

試験実施機関である公益財団法人 安全衛生技術試験協会は、エックス線作業主任者免許試験の受験資格を不要と公表しています。同協会の公表では試験は4科目40問100点で、第二種放射線取扱主任者免状の交付を受けた者には測定と生体の2科目免除があります。出典: 公益財団法人 安全衛生技術試験協会「資格の紹介・受験資格」(確認日 2026-09-06)。

この科目免除は試験実施機関が公表する試験実務であり、電離放射線障害防止規則第48条に基づく免許交付とは別の層です。第二種放射線取扱主任者免状を持つことだけでエックス線作業主任者免許が交付されるものではありません。法令と試験実務の出典を分けて確認する考え方は、情報の収録基準と運営方針にも示しています。

違反時の流れ

エックス線作業主任者の選任に関する違反は、直ちに罰金だけが科されるものとして扱いません。労働基準監督署の臨検監督、違反があった場合の是正勧告、是正されない事案又は重大・悪質な事案の送検、有罪となった場合の罰則という手順で整理します。根拠は労働安全衛生法第119条第1号・第122条、確認日 2026-09-05です。

段階内容
1労働基準監督署による臨検監督
2是正勧告
3送検
4有罪となった場合の罰則

臨検監督から是正勧告、送検、有罪時まで

有罪となった場合、労働安全衛生法第119条第1号では6月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金が定められ、第122条には法人に関する両罰規定があります。第14条の選任義務は、第98条第1項の使用停止命令等の対象条項には含まれないため、選任義務違反だけから直ちに同条の命令となるものではありません。条文の適用関係や具体的な対応は、個別の事案に応じて所管窓口又は専門家へ確認してください。

よくある質問

エックス線を使う非破壊検査では必ず選任が必要ですか

選任は、労働安全衛生法第14条、労働安全衛生法施行令第6条第5号、電離放射線障害防止規則第46条が定める対象作業について必要です。施行令第6条第5号には医療用のものと、定格管電圧が1,000キロボルト以上のエックス線を発生させる装置を使用するものの除外があります。各法令は2026-04-01施行、確認日 2026-09-05です。

免許があれば個人で非破壊検査を許可されますか

エックス線作業主任者免許は、対象作業について事業者が選任する者に必要な免許です。労働安全衛生法第14条、施行令第6条第5号、電離放射線障害防止規則第46条は、選任の主体を事業者と定めています。免許を持つことだけで、個人が非破壊検査を行うことの許可を受ける制度ではありません。

技能講習を受ければ選任できますか

エックス線作業主任者については、電離放射線障害防止規則第46条が免許を受けた者のうちから選任すると定めています。したがって、技能講習の修了だけを選任の根拠にすることはできません。根拠は電離放射線障害防止規則第46条、2026-04-01施行、確認日 2026-09-05です。

受験資格や科目免除はどこで確認しますか

受験資格、試験科目、科目免除は、試験実施機関である公益財団法人 安全衛生技術試験協会の「資格の紹介・受験資格」で確認します。同協会は、エックス線作業主任者免許試験の受験資格を不要と公表し、第二種放射線取扱主任者免状に対する2科目免除も公表しています。出典: 公益財団法人 安全衛生技術試験協会「資格の紹介・受験資格」(確認日 2026-09-06)。

まとめ

エックス線作業主任者は、対象となるエックス線作業について、事業者が管理区域ごとに免許を受けた者から選任する制度です。対象作業と除外、9項目の職務、免許試験と電離放射線障害防止規則第48条による交付ルートを分けて確認すれば、制度を一つの資格名だけで捉えずに済みます。関連する解説は法令記事一覧から確認できます。

出典

著者・監修

依田尚人YDAIコンサルティング株式会社 代表

依田尚人は YDAIコンサルティング株式会社 代表。非破壊検査の資格制度・法定資格・業界統計について、認証機関・業界団体・所管省庁等の公開情報を一次ソースまで確認する工程を標準として、本サイトの記事を設計・監修しています。

hihakai-career.comは、YDAIコンサルティング株式会社が運営する情報メディアです。掲載情報の収録基準・出典の考え方は情報の収録基準と運営方針をご覧ください。

掲載内容に誤りや古い情報を見つけられた場合は、お問い合わせフォームよりご連絡ください。内容を確認のうえ対応します。

関連記事